その時だ、私は大好きな人の背中に抱き着き好きだと伝える。
大塚ってば真っ赤な顔になるから可愛い。
何度も体は重ねたけれど、キスはしたことがなかった。
ここは好きではなく『愛してる』と囁くはずで、見つめ合う二人――初めて唇を合わせた、初めて知った幸せの味――
ほら、素晴らしきハッピーエンド。
これは正に女子高生の純愛らしいでしょう?
泣けるじゃん、最高。
純愛にはこういう幸せが約束されているらしい。
でも聞いて、おかしい。
女子高生は『切ない』と呪文を唱えれば運命の愛を手に入れることができると聞いていたから、
私ってば毎日毎日切ないと悲観してきたのに、全然大塚ってば振り向いてくれないのだ。
ばりばり高校二年生なのにラブハプニングが舞い降りませんけど。
――……なんて、可愛くない発想をするから小崎里緒菜は人として可愛いげがないのだ。



