切ない純愛崩れ


この子が泣くならば、この子を不幸せにできるならば、さっきは否定しておきながらやはり――

気持ち悪いけれど我慢して近藤君と寝てみてもいいと思えるのだ。

だって、なんかムカつく、なんか腹立つ、なんかカンに障る、なんか苛々する、なんか涙を見たくなる。

可愛い小鳥、可愛い結衣。


「私みたいに可愛いからさ?、気に入ってんの。あはは」


切り札なんかない、でも意地悪をしたくて堪らない。

大塚に好かれない原因を結衣のせいにしたい。
ああ、本当に嫌な女だから――……


「これあれ? ぽこりんがとった奴? かわいー」

平和な結衣は相変わらず笑顔ばかりを浮かべ言った。


 、……

 なんだ、

 知っ、てんだ……、


小さな嫌がらせも意味を持たず、僅かな優越感なんて抹消された。

ここまでくれば内面も外面も負けてばかりの私じゃないか。
切なくなるばかりじゃないか。