切ない純愛崩れ


宿題プリントを忘れたとか、今から購買に行くとホームルームに間に合わないかとか、

学生らしい会話が飛び交う世界は狭いのに広い。

何気ない日常の癖に、実は皆 懸命に今を堪能しているのだ。

けれど、無意識に青春を送る美しさに気付くのは卒業してからのことで、

今は今の尊さなんて知る時期ではない。


「断っとく。里緒菜あれじゃん? メールまくりガールじゃんか、あはは」


――ああ、結衣はこういう子。

親友についてよく分かっているから、私が言わなくても全て伝わっている。

普通、こういうおっとりしている子はびっくりするくらい鈍感で天然チャンだけど彼女は違うのだ。

だから、紹介話をさりげなく終了させた周りに配慮できる人間性に大塚や近藤君、皆が惹かれるのだろう。