瞼を閉ざした視界は真っ黒で、まさか涙に滲んでいるはずがない。
可愛くない私は弱くないし泣き虫ではないし、乙女らしくないのだから大丈夫。
下唇が白くなるくらいに強く噛むと、なんだか神経が変になった。
C組の朝は喧しいから好き。
切なさを解消してくれるから。
「ね、こいつ好み?」
ピンク色の香水瓶をひっくり返したかのような甘い音色が耳に入り、
勢いよく上体を起こせば、目の前には携帯電話を見せてくるライバル国のお姫様が居た。
キラキラ輝く高級な宝石。
「、おはよ。結衣」
お願いだから誰か褒めて、――辛い時さえ切なさを隠し、とびきりの笑顔を作れる私という十七歳の恋心を。



