切ない純愛崩れ

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教室という四角い箱の中に三十人くらいが細々と並ぶ。

携帯電話を開いたり閉じたり手悪さをして、声をかけるタイミングを計算する。

メインとなりうるストラップは黄色い鳥のキャラクター。


  ……。

指で撫でると気持ち良さそうに目を閉じる仕組みが、女子高生目線でカワイイと思われる。


恋人としてペアリングを贈る近藤君。
女友達としてストラップを渡す私。

片思いを頑張ろうと決めた。イベントパワーに乗っかり、やれるだけやってみようと志すことにした。

始まる前の恋を諦めるのはまだ早い。今の自分に切なく浸るのはまだ早い。

…………だって昨日、凄くいいことがあったから。


「おはー、恋人ナシの可哀相な大塚さん、クリスマス暇?」

女子高生らしく唄にスタッカートを付けて愛嬌ある恋の呪文を唱えた。