切ない純愛崩れ


「良かった、それが狙いで。ブランドブランドしたらなんか恥ずかしくて、だって皆に近藤本気だなって思われたくなくない?

初見はノーブランド風なんが狙いなんですよ奥さん。あはは、中に誕生石入れて豪華にすんの。オプションにカモられます」


「、え」


  ……、誕生石?

たいていのショップはお金を払えば刻印してくれるし、現に友達周りの高校生カップルはペアリングに彼氏彼女のイニシャルを掘っている。

が、それとこれとは話が別。彼は婚約指輪や結婚指輪みたいなことを言うのだから、三万円プラス更にあれこれ投資するようだ。

つまり、実はお高い指輪となる訳だ。


二人の記念日である《10.3.14》は絶対入れるのだと語る瞳は愛に満ちていると私は思うのだが、

きっと大人たちは、『なまっちょろい学生の恋愛なのだから、いつか別れるんでしょ? ばかみたい』と、呆れるのだろう。


けれど、やっぱり結衣と近藤君って皆と違う。

クラスメートたちみたいに浅くないし薄くないし軽くない。

誰にも真似できない綺麗な両思いをしているように感じられるから不思議だ。