店内は清潔さが売りなのか、草原の香りを宣伝するパッケージに用いられそうなミントグリーンの軽やかな色をしていた。
従業員は私たちが普段通うファッションビルのお姉さんとはタイプが違い、
この手の張り詰めた雰囲気を崩さないよう、慎重にローファーを運んだ。
指輪は指輪でまとめてあるのではなく、
ピアスやらバングルやらをセットでシリーズ別に並べてあるから、
庶民の私は普通に見比べ難いなと思う。
だって例えばネックレスを探すお客様目線だと、ショーケースごとに比べなきゃならないから、
アクセサリーの使用用途で分類してくれたなら迷い易いから便利なのに。
セット買いさせたいからシリーズでまとめるのだろうか。
息をするだけで申し訳なくなるお高いショップは凡人にとって居心地が悪いし、自分なんかは場違いだと萎縮してしまうのに、
近藤君てば違和感がない。
例えば従業員、彼に対して“お前みたいな奴が買うんじゃねぇよ”とは思うはずがないのだ。



