百貨店の紙袋は提げているだけで品がよく見えるのはなぜだろう。
「具体的に何が好き? 結衣ん顔?」
一歩、一歩、歩く。
一秒、一秒、腹が立つ。
天井辺りに踊る看板が目障りだ。
ふんわりと波打った髪の毛を弄り、彼の反応を待つ自分は切なくなりたいから二人の愛を知りたがるのか。
「好きなところー?、いちいち言えるかよ、バカップルじゃあるまいし」
目的地を見据えたまま近藤君はつまらないことを言う。
ああ、クラスの男子たちみたいにペラペラ俺のオンナは最強だと語ればいいのに。
同級生たちみたいに運命やら永遠やら一生懸命話してほしい、そうしたら薄っぺら恋愛だなって私がほくそ笑んであげるのに。



