切ない純愛崩れ


――なんて、悲劇のヒロインごっこは嫌い。
女子高生らしくテンション高めであらなくては。


手始めに大塚の肩を突いた私は、「大塚くん欲しいんでしょ? むりー、猫チャンあげないから」と言い、

対面する二人に向かってぬいぐるみを揺らしてみせた。


ちなみに制服が似合う雰囲気を醸し出しているなら、お喋りの中身が終始つまらなくても問題はない。

そもそも私たち世代のノリに質を求める奴はあまりに察しが悪過ぎる。


――と、いちいち難癖を付ける欝陶しさが私の性格だから、天然とか無垢とかふわふわ乙女カテゴリーとは無縁だ。