『好きな人が私を見てくれたらいいのに』という発想は、なんて愉快なのだろう。 可愛らしい素直さが儚過ぎる。 好きな人が好きな人は私の親友。 片思い中の彼は、あの子に夢中。 報われない恋をしている奴に惚れている馬鹿者は私。 切ないんだと一人部屋で泣いちゃったりする乙女や、体だけでも良いからと夜を委ねちゃったりする大人にはなれなかった。 ただ、頑張り方が分からない弱い私は悔しいばかりだった。