―涼介side―…


俺は、心臓病で長年入退院を繰り返していた。
そしてある日、大きな病院に移転することになった。
それが今の病院、桜ケ丘病院。
医師も看護婦さんも優しいし、それになにより好きな子が出来た。
同じ病室の鈴原星夏ちゃん。
本当にいい子で、何も考えて無さそうで、誰より一番考えてる。そんな子。

でも、その子は他の男が好きらしい。
椎名翔太。
かなり、ムカつく。
嫉妬だってわかってるよ。
だから、俺は邪魔しちゃうんだ。
星夏ちゃんの幸せを願ってるけど、椎名くんとはくっついてほしくない。
だって、どうせすぐ別れちゃうんだよ?
星夏ちゃんの脊髄小脳変性症って病気は今の治療では助からないんだから。

病気の星夏ちゃんには病気の俺が相応しい。
絶対邪魔して、俺のものにしてあげる――……