「ここのナースでも狙おうかなっ」
「えー、駄目だよ」
冗談混じりで楽しく話をしていた。
すると、
―コンコン―…
椎名くんが来た。
「よっ!鈴原」
「椎名くんっ」
私は椎名くんが現れただけで嬉しくなる。
久しぶりに会えたからかな?
椎名くんは木下くんを見ると、驚いて止まる。
「え、他に客来てた?ごめん、俺…」
「違うよー」
椎名くんが出て行ってしまいそうだったから、私は木下くんを紹介した。
「こちらは、同じ病室に入院してる木下涼介くん。同い年だよ」
そう言うと、木下くんはペコッと頭をさげる。
それを見た椎名くんは溜息をついて、笑った。
「なんだー。まじ焦った」
「木下くんどうからどうみても寝巻きでしょ」
「たしかに」
椎名くんは、木下くんと向かい合わせになって座る。
私はベッドに横になってすこし起きてる態勢。
右に木下くん、左に椎名くん。
男の子に挟まれて少しソワソワした。
「木下くんは、最近こっちに入院したばかりで、よく私の話し相手になってくれるの」
「いや、星夏ちゃんが俺の話し相手になってくれてるんじゃん」
「ふーん」
初対面の二人。
話すことがないから、木下くんの話をしたんだけど、椎名くんはあんまり…ていうか全然興味無さそう…。
それどころかちょっとツーンとしているような気がするのは私だけ?

