―星夏―…


あれから、椎名くんは毎日病院に来てくれるようになった。

「今度優木も来るってさ」

「あ、そうなんだ!」

「うん、今日は学校でなー…」

椎名くんは毎日色んな話をしてくれた。
よくネタがつきないなぁってくらい、いっぱい。

―――――――――――…………


今日は平日。
朝だから、椎名くんはもちろん学校。


私は今から一階の診察室に行って、先生に診てもらう。

まだ車椅子は必要ない。まだ…ね。

だから、お母さんと一緒に歩いて診察室まで行く。
寝たきりなわけじゃないけど、安静にするためほとんどベッドだし、歩くのは久しぶりだった。


途中、お母さんに冗談めかしで



「歩き方忘れたんじゃないの~?」


なんて言われた。


「そんなわけないじゃんっ」

「あはは」



なんて会話しながら、診察室につくと、先生が椅子に座って待っていた。