【完】天体観測 ~キミと見た星~



―美冬side―…

星夏と椎名は絶対両想いなんだよ。
なのに…二人は絶対にくっつかない。

星夏は星夏でちゃんと考えてるんだ。

星夏は泣きながら、私に想いを言った。

きっと、星夏は椎名に想いを告げないと思う。
ずっとずっと堪えて、我慢し続けると思う。

それが、星夏なんだ。

「…心配かけたくないから…」

そうニッコリ笑って星夏は言ってた。
だけど、笑ってるのに…涙は出てたんだ。
可笑しいよね。馬鹿だよね。

涙流してるなら、心配かければいいじゃん。
両想いになれば良いじゃん。

星夏は優しい。
でも…残酷だ。

星夏のやり方は残酷で、きっと私には出来ない。

私なら、命が残り少ないなら、我儘だって言う。
相手と両想いにだってなってやる。

だけど…星夏は絶対にそんな事しないんだ。
だって、両想いになった時、もし一方が消えたら、もう一方は悲しみにくれるだろう。
それを…星夏は椎名にしたくないんだ。


「バカだよね…星夏は」


病院の帰り道。
そんな事をボソッとはいた。