―美冬side―…
星夏と椎名は絶対両想いなんだよ。
なのに…二人は絶対にくっつかない。
星夏は星夏でちゃんと考えてるんだ。
星夏は泣きながら、私に想いを言った。
きっと、星夏は椎名に想いを告げないと思う。
ずっとずっと堪えて、我慢し続けると思う。
それが、星夏なんだ。
「…心配かけたくないから…」
そうニッコリ笑って星夏は言ってた。
だけど、笑ってるのに…涙は出てたんだ。
可笑しいよね。馬鹿だよね。
涙流してるなら、心配かければいいじゃん。
両想いになれば良いじゃん。
星夏は優しい。
でも…残酷だ。
星夏のやり方は残酷で、きっと私には出来ない。
私なら、命が残り少ないなら、我儘だって言う。
相手と両想いにだってなってやる。
だけど…星夏は絶対にそんな事しないんだ。
だって、両想いになった時、もし一方が消えたら、もう一方は悲しみにくれるだろう。
それを…星夏は椎名にしたくないんだ。
「バカだよね…星夏は」
病院の帰り道。
そんな事をボソッとはいた。

