【完】天体観測 ~キミと見た星~



別に良いんだ。
もう、隠してたって意味ないだろうしね。

「なんで、椎名のこと好きなのに、認めないの?」

「だから、好きじゃないって」

私は笑うけど、

「嘘付かないでよ!」

美冬は真剣に言う。

「好きなんでしょ?」

「…好きだよ。大好きだよ…っ!でも…ッ」

私は認めた。
そう、私は椎名くんが好きだよ。
絶対誰にも負けないぐらい想ってる。

でも…

「想ってたって…私は死んじゃうのぉ!」

私の頬に涙が流れた。
すると、美冬も静かに涙を流した。

「死なないよぉ!…星夏は死なないよぉ!」

美冬は泣いてくれる。
私のために…

「私が重い病気だって事、美冬も知ってるでしょ?」

「…やだ、そんな事…言わないでっ」

「美冬、お願いだから、私の病気が“重い”ってことだけは、椎名くんに言わないで」

私は美冬にお願いした。

「なんでっ?」

「…心配かけたくないから…」

私と美冬は約束をした。

なにがあっても、椎名くんに病気の事を詳しく言わない…。