【完】天体観測 ~キミと見た星~



でも、だからと言って、あんな奴には絶対に渡さない。

俺はまた病室に戻る。
すると、星夏ちゃんはゆっくりとベッドから起きあがって俺に聞いてきた。

「ねぇ、さっき話声聞こえたけど、誰か来てたの?」

「……ううん。気の所為だよ」

「そう…」

残念そうな顔をする星夏ちゃん。
そんな顔するなら、あんな嘘つかなきゃ良かったのに。
そしたら俺だって、こんな事しなかったのに。

君が「協力して」って言ったんだよ?
だから俺は協力した。
「嘘をつかないで」なんて言ってないだろ?

きっとまた来ると思う。
でも、その度に、俺が追い返してやる。

それも、君の為だ――……