【完】天体観測 ~キミと見た星~



―涼介side―…


椎名翔太が来なくなってから一週間が過ぎようとしていた。
相変わらず、星夏ちゃんは元気ない。
いつも、下を向いてるんだ。
そんなに……あいつが君には必要なのか?

「星夏ちゃん」

俺はトランプをヒラヒラさせながら星夏ちゃんに声をかける。

「…なに?」

「トランプしようよ」

「…やらない」

だけど、星夏ちゃんの元気は取り戻せない。
…僕には、星夏ちゃんを元気にさせることが出来ないんだろうか?
星夏ちゃんを…笑顔にさせられないのかな?
その時、ふと窓の下に目をやると…

「あ」

「え?」

椎名翔太と、誰かわからないが、女が来ていた。
まじかよ?
会いに来たってわけ?
…でも、横の女は?

「どうしたの?」

星夏ちゃんに、聞かれるが、俺は答えなかった。

「ううん。なんでもない」

そこまで俺、優しくないよ?
俺だって、男であって、人間なんだから。