「とにかく!あんたにはカンケーないから」
優木はそう冷たく弘樹に言うと、教室を出て行った。
「なんだよアイツ。意味わかんねぇし」
弘樹は舌打ちすると、ドカッと俺の前の机に座った。
「なぁ、俺に何か隠し事してるだろ?やめてくれよな、そーいうの」
「いや、別に…そういう訳じゃないんだけど…」
「…………」
弘樹は俺の事をジーッと見る。
俺も顔色一つ変えず、弘樹を見た。
すると、弘樹は無言で、機嫌悪そうに教室から出て行った。
そんな弘樹の背中を見て、一応謝る。
「はー…」
一人になった俺は大きな溜息をついた。
これからどうしていこうか。
鈴原と、どういう関係になるんだろうか。
正直、鈴原にムカついてないって言ったら嘘になる。
だけど、そんなものより、俺は哀しいんだ。
ムカつくより哀しいの感情の方が勝ってる。
だって、好きな人にそう言われたら誰だってそうだろ?
たしかに鈴原は俺の事異性として好きじゃないかもしれない。
だけど、俺は鈴原と一緒に居たいんだ。
それさえも駄目だと言われるならば、哀しむしかない。
俺はふと、空を見上げた。
雲ひとつない青空だった。
夜になれば、この空に、何億もの星が輝くんだ。
ちっぽけでも、それでも、輝いてる。
綺麗に、ただキラキラと。
「ふっ」
俺らしくない事考えて、笑えてきた。
前の俺なら、空なんて見向きもしなかった。
鈴原に出会えて、こうやって空を見るようになったんだ。

