【完】天体観測 ~キミと見た星~



――――――……

「星夏ちゃん!星夏ちゃん!!」

「…ぃやぁああっ!!!」

私は大声を出して、ベッドから飛び起きた。

「…はぁっはぁっはぁっ」

さっきのは夢だったの…?
心臓がありえいくらいバクバクいって、すごく苦しい。
息が乱れてて上手く呼吸が出来ない。

「星夏ちゃん!大丈夫!?」

横を見ると、そこには心配そうに立ってる木下くんがいた。

「はぁっはぁっ…」

「ゆっくり深呼吸して。大丈夫だから、ね」

木下くんにそう言われて、ゆっくり深呼吸した。
すると心臓は正常におさまっていく。

「はー…」

私は大きな溜息を一つ。
木下くんは聞いてきた。

「大丈夫?変な夢でも見た?」

「…うん」

「そっか。もう大丈夫だからね」

「…ありがとう…」

どうしてあんな夢見ちゃったんだろう。
すごく恐かった。
独りぼっちになっちゃって、すごく…哀しかった。

「すごく魘(うな)されてたよ」

「…皆が私を置いて行って…すごく恐かった」

「そっか」

木下くんは、そっと私の頭を持って自分の胸へと引き寄せた。

「木下くん…?」

「大丈夫だよ。独りになんかならないよ」

「ありがとう」