【完】天体観測 ~キミと見た星~



夢を見た。
すごくすごく嫌な夢。

皆居る。
お母さんも、お父さんも、椎名くんも、美冬も、皆。
私の大好きな皆が居る。

だけど、一人一人…。
なぜか私に別れのあいさつをして去って行く。

『待って!皆…っ!どこ行くのっ…!?』

走って私は皆に追いつこうとする。
だけど、それを拒む。

『駄目だよ。星夏ちゃんは来ちゃ駄目』

誰かが、そんな事を言った。

『どうしてっ?皆…どこいくの!?』

『星夏ちゃんは知らなくて良いんだよ。星夏ちゃんは独りでいるんだよ』

それだけ言うと、皆一斉に消えた。

暗い暗い闇に一人。
暴れるわけでもなく。
助けを求めるわけでもなく。

ただ、そこで静かに

『皆ぁ…っ!独りにしないでよぉお…っ!!』

涙を流すだけ。