【完】天体観測 ~キミと見た星~



わざと大きな溜息をついて、返信する。

≪ごめん。ムリ≫

そんな素気ない、友達に送る内容とも思えないのを、私は送った。

そしてまた重い瞼を落として眠る。

良いんだ。これで。

もうきっと椎名くんも美冬も会いに来てくれない。
それで、良いんだ…と思う。

ごめんね、椎名くん。
ごめんね、美冬。

…だって…私もう生きられないんだもん。

皆と一緒に成人だって迎えられない。


「卒業したらもっと星が綺麗に見える所行こう」

そんな約束だって、守れなかった。
もう椎名くんは忘れてるかな?

…忘れてほしいな。

約束の事も、私との想い出も。
全部全部――……


「……っ」

忘れてほしいのに、最近の私は涙を流すばっか。

「どうして…」

どうして?
ねぇ、誰か教えてよ。

「どうして私なのぉっ…」

どうして私が病気にならなきゃいけないの。
どうして皆より早く死ななきゃいけないの。

どうして?

胸が苦しい。
声を押し殺して、私は泣いた。