コンコン

と心地良い木の音が響き、ドアが開く。


まだ制服だった大地が、ドアを開けると同時に抱き着いてくる。

「うわわ」
「びゅん!本返しにきたんか?」
「そうそう!だから離せー!」


無理矢理突き離し、本を胸に押し付けた。


「おー。どーもな。そや、びゅん食事まだやろ?」

「あ‥うん」

「よっしゃ!オレ、びゅん待ってたんや。食堂行くで!」


手を引っ張られ、連れていかれる。
俺よりも大きな手‥‥

顔が赤くなるのを感じた。



どうして俺が食事まだなの、わかったんだろう。

そして、どうして大地は俺を待っていたんだろう‥‥‥?