勢いにまかせてしまったが、言いたい事は伝えたられたと思った。
高杉は、いきなり何なんだというようにシワを寄せたが、驚いている。
「最初から、妨害はしていないと言った‥」
静かに呟く高杉に、無性に謝りたくなった。
本当に俺は馬鹿だ。
高杉は、最初から野球部の為を思っていたのに。
野球部が勝つ事を考えてしたまでだったのに。
よくよく調べもせず、俺は言い寄ってしまった。
人から聞いた事だけを頼りに、俺は怒ってしまった。
「ごめん。俺、誤解してたかも」
いろんな感情が溢れて来て、俺は頭を下げていた。
高杉の顔は見えなかったが、きっと驚いているだろうな。
すると、顔をあげろ。と張りのある声が上から聞こえた。
声は少し揺れている気がした。
「‥‥何故謝る。応援団の為にしたことだろう。
確かに、オレが槙村先輩と話し合いもしないでいた事は‥‥悪かった。」
「いや‥俺こそ、ごめん」
