日常がキケン!



「高杉っ!!」


俺は勢いよく音楽室の扉を開けた。
帰りの支度をしている部員が数名残っていたが、俺は気にしなかった。


「いくら部活が終わっているからと言って、静かにしてくれないか」

「お前、野球部に勝たせなくちゃいけないと思ったから、吹いたんだろ!?そうなんだよな!?」

高杉の言葉も聞かず、俺は叫んでいた。


「‥何が?」

「とぼけんな、これを見ろっ!」

強引に高杉の顔寸前に本を押し付ける。
と、一回離し、本の数字を指差した。



「1点目も2点目も、どっちも吹奏楽部の応援の時に入れたものなんだろ?
つまり、応援団が応援した時には点は入れられなかった。
それでお前は、入れさせなければいけなかった8回裏に演奏した。応援団の応援する回だと決まっていたけど、やむを得ず。
そうなんだろ?」