「それは声量の問題でしょう。大ダイコがあれば、注意を引くこと位出来ます」
「渡辺はやったことがないから言えるんだ。たとえ馬鹿でかい声が一人増えたところで、吹奏楽がいる限り無駄なんだよ」
槙村先輩は、思い出を辿るように話し始めた。
「今年の春の大会で、もちろん俺と矢野、見境で応援団をやるはずだったよ。
先輩達は卒業したが、俺達だけでもどうにかなると思った。
けどな、今は応援団なんかじゃなく、金管木管楽器の時代だとよ、
はっきり言われたんだよ。吹奏楽部の現部長にな」
現部長って‥‥
高杉の事だ‥。
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