「ふっ‥‥‥ふざけんなぁー!!」 我に返った俺は、水の抵抗を受けながら剣を力いっぱい押した。 触られたところを手で拭う。 そんな俺を見て、剣はニヤッと笑った。 「初めてだった?」 顔がいっきに赤くなった。 こっ‥‥こいつは、俺は男だってこと‥! 「最低だなお前!」 剣の顔が見れなくて、捨てぜりふを吐いて俺は大浴場を逃げ去った。 部屋に帰ると木田は寝ていて、良かったとため息をついた。 さっきの事が、鮮やかに思い出される。 ‥‥‥俺、キスされたんだ。 男に。