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家に帰ってベッドに倒れこむ。

枕に顔を強く押し当てて

声が枯れるまで泣いた。

ずっと、背けてた現実を

上手く受け止められなくて

涙がずっと、止まらなかった。




携帯が鳴って、手を伸ばす。

着信は菜月からだった。


『もしもし美穂?』


菜月の声をきくとまた涙が溢れた。


「な、つき‥ぃ。」


上手く言葉にならない声で

菜月の名前で呼ぶ。


『どうしたの!?』


と焦る菜月に、詰まりながら

さっきまでのいきさつを簡単に話した。


『今から行く。』


と言って菜月が電話を切る。

機械的な音がやけに耳について

携帯を乱暴にベッドの上においた。