マスカット



「――っちょ!痛い!離せ!」



力強く掴まれた手は振りほどいても離れない。

そのまま引っ張られる私。


「つべこべ言わずに来いっつってんだろ。」



な、何こいつ~?!!


仕返しって‥

何されんのよ一体!!!




――――そして無理矢理連れてこられたのは

夕焼けで赤く染まった人影のない生徒玄関。


そこで男の足は止まり、くるっと回って私の目の前に立つ。


「‥一体何の用?」


シーンとした玄関で男にジーっと見つめられる私。


か、顔近いし‥‥


目を合わせないように右下を向く。


「‥‥お前のせいで俺の顔にアザが出来た」


「‥‥し、仕方ないじゃん」

あんたが最低な事言うから。


「しかもすっごい力で。」


――何が言いたいの、こいつ



すると男はニヤッと笑った‥‥
そして口が動く―――





「仕返しとして俺の荷物運べ」