キンコーンカンコーン
今日も8時15分ピッタリ。
私と友達の美都の遅刻が決定した。

説明しよう!
この学校では、チャイムが鳴り終わるまでに教室に入ってないと遅刻になる。
それなのに私たちはまだ学校の外にいた。
荒れた息を整えながら、トボトボと歩く私と美都。

「美都、また遅刻しちゃったね」
「うん・・・明日からは気をつけようね」
「うん・・・」
「また遅刻届け書かなきゃね」
「うん、めんどくさいね」

説明しよう!
この学校では、遅刻をすると遅刻届けを書かなければいけない。
遅刻届けには、日付と遅刻の理由、担任のハンコと他の先生のハンコをもらわなければならない。

ある日、ホームルームを終えた先生が職員室の前で遅刻届けを書いている私たちに話しかけてきた。

「おぉ、柳瀬たちまた遅刻かぁ?」
「あっ、先生!」
「お前ら、懲りないなぁ」
「しょうがないじゃん!
乙女は歩くのが遅いんです!」
「乙女?
誰のこと言ってるんだ?」
「なっ!
ここにいるじゃないですか?」
「そうか?
俺には見えないなぁ」
「もう!
先生の意地悪」
「はは。悪い悪い!
柳瀬は反応が面白いからついな」
「ふふっ!
しょうがないから、許してあげる!
その代わり、ここのハンコ押してよ!」
「しょうがないなぁ」
「ありがとう!」

そして話しているといつの間にか授業の始まりのチャイムがなったりする。

「ヤバ!行かなきゃ」
「おう。授業頑張れよ」
「うん」
「もう遅刻するなよ!乙女さん」
「それは・・・分かんない!」

他の授業だったら急ぐけど、数学の時間のときは急がなかったりする。

「ヤバイ!一時間目お前らのクラスだよな」
「そういえばそうですね!」
「お前ら急げよ!
俺の授業だと思って・・・」