田中先生ver


会議が終わって急いで屋上に行くと、柳瀬は待ち疲れたのか寝てしまっていた。

「まだいたのか・・・」

無邪気な顔で眠る柳瀬は幸せそうだった。

「この間から泣いてばかりだったな・・・。
寝顔と笑顔は結構可愛いのにな。
ちょっともったいないけど、起こさなきゃ駄目だよな」

俺が少し体を揺らして、声をかけると柳瀬は目を覚ました。

「う・・・ん・・・先生?」

まだ寝ぼけているみたいだった。
俺は素直に遅れた理由を言った。
怒られても仕方ないと思った。
でも柳瀬は、怒るのではなく心配してくれていた。

「ごめんな・・・」

俺は柳瀬の頭を撫でた。

「で、どうしたんだ?
話って?」