夏休み、俺は別れ話をするために有紗を呼び出したんだ。

「恵介!なぁに話って?」
「有紗、すまない。他に好きな人が出来たんだ。
別れてほしい」
「やだ!何その冗談?」
「冗談なんかじゃない!」
「・・・どうして?ずっと一緒にいようって言ってくれたのに」
「悪かった。俺はその人に出会って初めて本気で教師をやろうって思えたんだ。
こんな気持ち初めてなんだ」
「そこまで言うならもういい!」
「有紗・・・」
「でも最後に好きな人の名前だけ教えてくれない?」
「柳瀬。柳瀬美穂」
「分かった・・・」
「すまない」
「謝らないで。余計に辛くなるから」