先生が台所に立つ後ろ姿を見つめる。テキパキと動く先生に私は目がはなせない。 先生はあっという間にミートソーススパゲティーを作り上げ、マグカップに注がれたインスタントのポタージュと一緒にそれ運んできた。 「わぁ、いただきます!」 私はスパゲティーを夢中で口にはこぶ。とてもおいしい。 冷めないうちにポタージュも、と思いマグカップを手にとった。そこで初めて気づいた。 「あ、れ…このマグカップ、先生のと色違いなんだ」 「ああ、いい色だろ」 笑う先生とは対称的に私の表情はみるみる固くなる。 .