10分ちょっとしたところに先生が住んでるアパートはあった。先生がドアを開けてくれたから私はおじゃまします、と言ってブーツを脱いだ。
「今暖房つけたからもう少しで暖かくなからな。あとこれでよく頭拭いとけ」
先生はバスタオルを投げてよこすと、自分は着替えのために隣の部屋に行ってしまった。
頭をがしがし拭いているとだんだん部屋が暖まってきた。窓の外はまだ雪が降っている。
ぼーっと窓の外を眺めていたら肩をぽんぽんと叩かれた。
「なんか食うか?」
そう聞かれたのと同時にお腹がぐぅーっと返事をした。
「今なんか作るな」
笑いながら台所に立つ先生に私は小さな声で「お願いします…」と言った。
.

