――チュンチュン…チュンチュン…
…嗚呼、外から小鳥の囀りが聞こえる。
どうやら朝が来たらしい。
うー、今日は準備に時間をかけたいから早く起きなきゃ。
分かってる。分かってるけど…
あたたかい布団に包まれている私は布団からなかなか抜け出せない。
何で布団にはこんなに依存性があるんだろうね。いっそ布団と一緒に学校行きたいよ私。
ジリリリリリリリリ!!!!
「ふぎゃあっ!」
いきなり鳴りだす目覚ましに私はビックリして飛び起きる。
「ビックリしたー…
よいしょ、っと……」
目覚まし時計を止めて、時計を見た。
「6時かぁ…。よし、今日は気合い入れなきゃね」
私はベットから降りてタオルを手にとり、洗面所に向かう。
バシャバシャと冷たい水で目を覚まし、念入りに洗顔、しっかりと歯磨きをし、部屋に戻る。
「あれ、ぽぷりが珍しく起きる早い…」
部屋着くと、トイレに起きたらしい紗癒(サユ)お姉ちゃんが私の部屋のドアを開けて声をかけてきた。
「うん、入学式だから」
「あーそっか…
ぽぷりももう高校生かぁ…ほげー…」
そう言って部屋を出ていった。
私はダボダボのスウェットを脱ぎ捨て、新しい制服に手を伸ばす。
Yシャツがひんやり冷たくて体が少し冷えて気持ち良い。
「えっと…スカートは長さはこれくらいかな?」
とりあえず駅でみかける女子高生と同じくらいの長さにしてみる。
「あ…紺ソ!初めてだ!中学校は白だったからなぁ…
へへ、女子高生って感じ」
「カーディガンも新鮮…。うん、お姉ちゃんの言う通り大きめ買って良かったかも…」
「開けるボタンは二個…だったっけ?」
「あ、化粧と髪型もやらなきゃ!」
なんだか運動会のお弁当に張り切るお母さんぐらいの多忙しで間に合うか不安だったけど、慌てて失敗しないように丁寧に髪を巻いた。化粧もいつになく真剣にやったおかげで練習よりうまくできて満足、満足。