嵐が去った後のような疲労感を覚えたメンバーは、無意識に長く息を吐いて、ソファーにどかりと座り込む。
日野に至っては、「あんな男が生徒会長をやっていたら、風紀が乱れますよ!」等と文句を垂れ流しており、例によって五月女が苦笑しながら宥めている。
明衣はぶすぅと不貞腐れた表情を浮かべたまま、糸田に渡された写真を眺める。
婚約相手と、糸田の姉が並んで写った写真。
姉の方は、一見幸せそうに微笑んでいるように見えるが、その笑顔はどこか引きつっている。
(やっぱ好きな人と結婚したいよね……)
そう考えながら、ちらりと隣に座る楡に目をやる。
彼も糸田の姉が写った写真をぼんやりと眺めていた。
やがて明衣の視線に気付いたのか、ふと顔を上げて、首を傾げる。
「なに?」
「…べっ、別に………」
ついぶっきらぼうに答え、顔を逸らしてしまう。楡を前にすると、なかなか素直に慣れないのが今の悩みだった。
楡は写真と明衣を見比べるように交互に見ると、小さく呟くような声で言った。
「……糸田くんのお姉さん、卯月に似てるな」
「え?」
「…なんとなく。雰囲気というか」
楡はそれだけ言うと、興味無さそうに写真を机に置いた。



