逸識は「しゃーねーな」と頭の後ろで手を組んで、あくびを一つした。
「コスプレ部は廃止じゃなくて、規模縮小ってことにする。ただし、部費は最低額しか出さねぇし、部室に関しては吹部に貸しちまってるからまた自力で探すこと。それから、生徒会や学校関係者から協力を要請された場合は素直に従うこと」
「…会長!」
八重が咎めるような口調で言うが、逸識は「まぁいーじゃねーの」と軽い調子で笑う。
隣で見ていた鮎川は、呆れたように、しかし穏やかな笑顔で溜息を吐いた。
「後は知らねーぞ。好きにやれよな」
「………っ……!」
逸識がそう言って微笑むと、大島は赤面して俯いた。水無瀬ですらどぎまぎしている。
「さーて、帰るぞぉ〜」
「命令しないで。ムカツク」
逸識の合図のあとに、不機嫌そうな小早川の声が遠ざかっていく。
帰りぎわ、鮎川が水無瀬にそっと囁いた。
「aucとチサトに感謝した方が良いわよ?何か面倒なこと起こしたりしたら、今後は無いと思いなさいね?」
「……………」
立ち尽くす水無瀬を不思議そうに見上げる明衣やその他のメンバーを横目に、鮎川はクスリと笑った。



