そして、その隣で同じように逸識に恨めしそうな目を向けるコスプレ部員二人は、それぞれ警官と婦人警官に扮している。
服は手作りで、地元の制服よりも凝っているように見えた。
「それは目立つわな」
「それだけじゃないッスよ!」
納得した様子の逸識に、巡は得意そうに言う。
巡の視線の先を辿ると、子供たちに囲まれて一緒に横断歩道を渡る日野の姿があった。
「はい、ドライバーさんに見えるようにしっかり手を挙げて渡るんだよ」
「はぁーい!」
最初は恥ずかしそうにしていた五月女も、「仮免ドライバーだ!」と子供たちにきらきらした目を向けられてから俄然やる気になっている。
「仮免ドライバーも、みんなを守って走るからね!ですから、運転手の皆さん、きちんと左右を確認、規制速度を守りましょう」
「だって、パパ!」
助手席の窓に向けて手を振れば、子供が運転中の父親に向かって交通安全を呼び掛ける。
そこには、交通安全を一つの括りにした、大きな繋がりが生まれていた。
「……………」
逸識はきゅるん、と目を丸くしていたが、やがてふわりと微笑んだ。



