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巡は少女の匂いを覚えるため、彼女が身に付けていたリボンを借りることにした。くんくんと鼻を動かしながら何やら頷くその姿は、さながら警察犬のようでもある。


「本当に探せるのか?」

「集中してるんで黙ってろよサイボーグ野郎」


怪訝そうな日野をいつもの乱暴な言葉遣いで一蹴し、巡は「よし」と短く言うと顔を上げた。その様子を見ていた本郷が、少女に目線を合わせるために屈む。


「だいたいどの辺を歩いたかって覚えてる? やみくもに探すより、ある程度見当をつけた方が早く見つかると思うから」

少女はうーんと考え込むようなそぶりの後に、不安そうに告げた。


「んん、おもちゃ屋さん。プリティエースのとこ見てたの…。あと、ママと2階のトイレにも行った」

「ふんふん。じゃあ、その辺りから探して…そうね、巡ちゃんはその子と匂いを辿ることに専念して、私と良祐でおもちゃコーナーとトイレを探してみましょう」

「わかりました! って先輩、俺女子トイレ入れませんよ!!」


本郷に手を引かれながら、五月女は顔を青ざめさせる。本郷は何でも無いことのように「だから良祐がおもちゃ見てくれればいいでしょう」と返していた。

その様子を見ながら、「五月女先輩、すっかり尻に敷かれてるんだな」と日野は思わず呟いた。