aucの概要を理解してくれたらしい日野は、成る程、と一人ごちて顎に手を当て、なにやら考え込む素振りを見せた。
五月女の口振りからして、恐らく自分を部員として引き込むつもりなのだろう。
この得体の知れない部活に。
「第一依頼人を部員にするって今決めたから、俺達がこの依頼を遂行したら、日野くんはaucの仲間になるんだ!」
「勝手に決めないで下さい!確かに僕は特に部活動などには所属していませんが…こんなよくわからない部に入るつもりはありません!」
「そーッスよ!こんなウザイ奴入ったらめんどくさいッス!」
「君は少し黙ってろ!というか爪と化粧をどうにかしろよ!!」
そのまま日野と巡は口喧嘩のようなものを始めてしまう。明衣は「本当は仲良いんじゃないの…?」と首を傾げながら二人を見守るが、五月女が急にやる気になって立ち上がった。
「よし、とにかく日野くんの癖がどれくらい手強いか調べてみよう!」
「急にどうした!?」
明衣は進級しても変わらないツッコミスキルを遺憾なく発揮した。



