徹夜で練習した逸識は、ダンス部と共に舞台に乗り、見事地区大会で次の大会――県大会への切符を手にすることが出来た。
アリスは涙ぐんで喜びをあらわにし、紗佳に連絡するのだと言った。
「うん。俺の役目は終わったな」
「ありがとね、逸識君」
まさに感動の渦といった様子のダンス部と別れ、逸識は一人会場をあとにした。
(俺なら、きっと)
県大会に出ようとは思えなくなる。
自分が居なくても結果を残せるチーム。
自分が居なくてもまとまっていく部活。
自分が居なくても…
誰かが替わりをしてくれるなら。
(ああ、ミスったなぁ)
喜ぶダンス部の声を背中に受けながら、逸識は逃げるように床を蹴った。



