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そこで、楡がいつものように惰眠をむさぼりにやってきた。手にはタバコ。完全に教師の姿からは逸脱している。

依頼人の二人が居るにも関わらず、特に隠そうとする素振りも見せず、「ああ、依頼来たのか」と呑気に呟いていた。

日野はいつものように「校内は禁煙です!」と教師に対しても指導を飛ばしている。楡自身は何処吹く風といった様子だが。


「ねぇねぇ、楡。この人わかる?」


明衣は写真を楡に見せた。一応自分達よりも1年長くこの学校にいるのだ。もしかしたら知っているかもしれない。

楡はタバコをくわえ、写真を受け取ってまじまじと眺める。


「……いや、こんな女子生徒は居ない気がする…。それに、女子にしてはかなり背が高いぞ」

「え?どーゆーことスか?」


首を傾げる巡の横で、日野が何かに気が付いたようで、「そうか」と1人声を漏らした。

それが気に入らないのか、巡は「なんスか」と口を尖らせる。日野は写真のステージが部分を指差した。


「この舞台は、体育館の床から110センチの高さに設定してあるんだ。そして、花道の黒板(くろいた)はおよそ2メートル30センチ。これから推測すると、彼女の身長は175センチから180センチ…」

「確かにでかいッスね…。モデルか何か、ゲストで呼んだとか?」

「いや、去年は特に芸能人は呼んでないぞ。城ヶ島先輩がいたからな…」