一年に一度のバレンタイン。 女の子から男の子へ…チョコを贈る日。 大好きな人に、好きだって伝えても良い日。 でも…私は、伝えられない。 できっこない。 だって…彼は…。 「きゃーっ!テル!!」 「テル君っ!!」 今日の公演が終わって、会場を一歩出ると…黄色い声が上がる。 あっという間に直樹は女の子達に囲まれてしまった。 …そう、私の片想いの相手、輝本直樹は芸能人。 私と同じ、演劇ダンスユニットのメンバーだ。 「相変わらず人気やな、テル。」