寝付けない夜。 耳を塞いだあの日。 私の中で何かがプツリと音をたてて切れた。 誰も入ってこれない領域が、 もう隙間もなく埋め尽くされている。 なす術もないまま、身体を縮めて。 永遠に続く卑劣な罵声。 机の上に置いてあるペン立て。 その中に立ててあるハサミをしばらく見つめてた。 朦朧とした意識の中、手は伸びる。 ヒンヤリとした刃先。 熱くなった血管が、どす黒く見えた。 ドクン、ドクンと打つ脈さえ汚らわしく思える。