私はそのままATMに向かう。 手際良く5万円を引き出した。 今日はバイト代が入る日。 週に4~5日ほど、居酒屋でバイトしてる。 ホント、至って普通の居酒屋。 もう一年になるかな。 重い足を引きずって家に帰る。 『ただいま。』 色のない世界の始まり。 『おかえり。』と、力のない声。 少しやつれて、束ねた髪もボサボサ。 毛玉だらけの服を着たこの人が…… 私のお母さん。 目を背けて、テーブルの上に5万円の入った封筒を置いた。 『これ…。』