忘れかけていた頃に現実に戻された気がした。



そう。



シュウの裁判が始まった。



始まる直前にシュウから連絡が入る。



当分この声が聞けないと思うと
寂しさで胸が一杯になる。



こみ上げる涙を必死で堪えながら
笑って言えた。



『待ってるからね』って。



ちょうど隣にサオリが居たから
余計に泣けなかった。


ううん、サオリが居てくれて
よかった。



次に逢える時まで



涙は取っておきたいから。