「やっぱり長かった。」


そう言って廊下を歩きながら拗ねている千歳。


さっきはずっと千歳にくっついていて離れることがなかった。


「まぁ、良いんじゃねぇの?」


「良くなっ………[ドンッ]


突然、俺の視界から千歳が消えた。


「いった………」


どうやら人とぶつかって転けたらしい…。


まったく……ドヂな奴だ…。


「千歳、大丈夫か?」


ほら、と手を差し延べ千歳を立ち上がらせた。


「あ、あの……ごめんなさい。大丈夫ですか?」


目の前に倒れている男に千歳が話し掛ける。


なんか……俺が初めて千歳と話した時もこんな感じだったような……。