「どうして…?」
ここにいるの?
「どうしてって、夜に女1人で自分の家に来いなんて言う奴いるかよ。」
ただでさえ、お前はややこしいのに、と付け足された。
今…勝美の家に行くから…チャリの鍵持ってるんだけど…。
「あ、ありがとう…。」
「寒いだろうが、もう一枚羽織れ。」
確かに…そろそろ桜が咲く頃なのに、まだ肌寒い。
「う、うん…。」
あたしは部屋に戻ってコートを着た。
「勝美も寒いでしょ?」
はい、マフラー。と言って勝美に渡した。
あたしが熱を出した日に、自転車の後ろに乗せてもらった時、首にマフラーを掛けられたものが家にいた。
「お、さんきゅ。」
「うん。」

