奈々が教室に戻ると、それを見つけた智たちが顔を見合わせる。
にやっと笑って、傍にいる聖に聞こえるように、わざとらしく声をあげた。
「あれぇー?奈々、お前さっき一緒にいた男誰ー?」
もちろん、その言葉に反応する聖。
ピクッと体を反応させ、下を向いたまま、眉間にしわを寄せて耳を澄ます。
聖の方をチラッと見るが、俯いていて表情がわからないので、奈々もそのまま作戦通りのシナリオを続けた。
「えー?あの人?翔w」
「翔ってんだぁー。」
しらじらしい奈々たちの演技に、聖は耳を澄まし続ける。
…ああん?翔?誰だよ
「うん!1個年上なんだけどー今日の放課後遊んでくれるって!!」
…はあ??!遊ぶ!!?
バッと顔を上げて、思わず口に出しそうだったのを、聖は押さえる。
ますます眉間にしわを寄せながら、もう一度下を向いた。
握った拳は、力が入っているせいか、少し震えている。
隣にいて、それを見ていた仁は、にやっと笑って、また聖に聞こえるように話しだす。

