―――――入学式。



「えーっと…」



校舎に入ったところで、キョロキョロと辺りを見渡すのは、新入生の浦安 奈々、16歳。



「…あ!いた!真美〜!!」




奈々に呼ばれて振り返ったのは、黒髪でショートヘアの女の子。



「奈々ー♪おはよぉ!」



彼女は、中学からの奈々の親友、朝倉 真美。



「おはよ♪一緒に行こっ!」

「うん!!あっ!クラスの名簿が貼ってあったよ!見に行こ!!」

「うん!行こ行こ!!!」




2人は仲良く、クラス名簿が貼られた掲示板へ走った。


人混みの中、奈々より10㎝ほど背の高い真美が背伸びをして名簿を見る。




「えーっと……あ!あったよ奈々!!一緒のクラス!!」

「嘘!!!やったあ♪……あ!龍雅も一緒じゃん♪よかったねっw」

「うんっw」



「真美ー!!!」




そこへ1人の男が、真美の名前を呼んで走ってくる。

黒髪で短髪の彼は橋本 龍雅。
奈々、真美と同じく、中学からの親友で、真美の彼氏だ。