「―――ッんだよッ!!!」






ガンッ!!!


聖は傍にあった木を思いっきり蹴った。







「知るか!もーあいつなんかッ!!!どーでもいーや…」






はりつめていた何かが切れる感じがした。


もう、何かどーでもよくなった。




聖は奈々を追いかけずに家に帰った。








一方、奈々は依然としてイライラしながら歩き続ける。






「何よッ!こーきったらぁ!!!わからずやッ!」






奈々は父親がいないことを願って、自分の家に向かっていた。



―――カチャッ…




ドアを開けて、玄関を見てみるが靴もなく、ラッキーなことに、家には誰もいないようだった。




そして奈々は自分の家で、すぐさま数着の服と、お金を持った。


いつ父親が帰ってくるかもわからない…帰って来たら、それこそもう家を出してもくれないだろう…



急いで事を済ませ、またすぐに家を出た。







「……グレてやる。」






奈々はそのまま近くのショッピングモールへ向かった。


そこで、髪染め・化粧品・アクセサリー・食料などを買って、ホテルに泊まる。




その日、ホテルで奈々は髪をオレンジ色に染めた。


そして、耳にピアスの穴もたくさん開けた。





「明日はいっぱいメイクして学校行くもん。スカートとかめっちゃ短くして…アクセもじゃらじゃら付けて行ってやる!こーきとは絶対話さないもん…!」





鏡の前で奈々はそう決意して、大きく頷き、その日は過ぎて行った…